BCJのモツレク オペラシティにて
午後も練習はあったのだが 第九を前に逃亡して新宿オペラシティでのコンサートを聴きにいく なんといっても天下のバッハ・コレギウム・ジャパンがモーツァルトのレクイエムを演奏するからね
http://www.operacity.jp/concert/2006/061210_about.php
バッハをアプローチするのとは全く違う、純粋な響きに対する面白みがあります
バッハは私には日常であり、非常に現実感あふれる音楽です。それに対してモーツァルトには現実から非常に遠い非日常的な美しさ、音楽そのものの美しさを求める抽象的な美しさがあります。
たしかにとても純粋な響だった
演奏自体別に無垢ということはなく 導入の後打ちはやけにはずんでいたしティンパニの強打はコープマン直伝という激しさだった
が やはり古楽ということもあり純正律の響がそれ自体メッセージ性を帯びる
弦楽器は各パートふたり とてもかろやかでまさに天上の音楽だった
特にレコルダーレ ヘ長調の四重唱
冒頭のチェロの下降音階が 二本のチェロだけで室内楽のようにひらひらと下降していくあの軽さは衝撃的だった
ブリュッヘンの18世紀オーケストラで第九の3楽章が舞曲そのものに聴こえたのと同様のおどろきだった これからしばらくはどんなにしっとり妙なる音を出そうが現代楽器では聴けないだろうな
ラクリモーザは逆にかなりしっとりと歌い込んでいた
全体に統一された響があり 単なるポリフォニーとは言い切れなかった
アンコールは泣く子も黙るアヴェヴェルムだったが この透明で純粋きわまりない合奏と合唱は天国的
とはいえ プログラム前半のヴェスペレなんか特にそう感じたが やはり学究的なアプローチはしっかり行われており 決して耽美に陥らない
また 歌詞はきわめてくっきりとして聴きとりやすくラテン語はわからないながら説得力を感じた
本番一週間前だけど よい体験でした
ついでに