gymnoの自由談

音楽系、プログラミング系の内容 方針はいずれ

話題の 藤原正彦 国家の品格

国家の品格 (新潮新書)
この数学者の書いたエッセイ 遥かなるケンブリッジ は あの大学にごろごろいる人智を越えた数学の天才たちの様子や イギリスの風俗などを魅力的に格調高く描写し 新潮文庫を購入したくらい感銘を受けた


で 本書
いくつか紙媒体の書評を読んでぎょっとしたのでこわごわ手にとってみたが案の定だった  うーむ
感触として バカの壁とおなじ感じかな  あっちのほうが小さなネタが豊富という感じ こちらは一貫性といったところか
全体の構成は 合理性からの脱却という欧米批判と もののあはれを重んじる祖国愛の2部から成っている  まあそんな本
ジョンロックについての記述や資本主義の発祥などへの言及で おや と思ったが 実際この本のまちがいの多さは有名らしい
本人があちこちで語っているとおり彼の読書量はかなり多いとのことだが いったいそういう知識をどこから得てきたのだろうか
バカの壁同様 これでは専門分野外のことに言及する理系の人間の評価を下げる一方だ  というか 


これは何か狙っているのだろうか  観測気球めいたものか と勘ぐりたくなる

一番面白いのが この本自体というより 書評での扱いである
本書では 自然や文化を愛する祖国愛と ナショナリズムである愛国心 を峻別せよ  とあって へえ と思ったが 数ある評の中にはそのへんをごっちゃにしているのが多かったり
新聞などで書評をしている人は 対象の本をちゃんと読んでいない という評判は聞いてはいたが 実例を知ったのは実は初めて まあ忙しいんでしょう

講演をもとにした本ということで かなりくだけた文体になっており立ち読みで30分もかからない 
 できれば一気に読んだほうがよい  同じ主張の繰り返しが多く とばし読みがかなりの箇所で可能だからだ


http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/2b365b2a38ca7996074020857aca73c4
やや辛辣な評がある  作者の池田信夫ってはじめて知ったが有名らしい  コメント欄は長いが充実している