gymnoの自由談

音楽系、プログラミング系の内容 方針はいずれ

科学通訳養成

著名な物理学の教科書を訳してみたいとおもったことがある
たいてい使われている英語は平易で 書かれていることを解説なしにそのまま訳すだけなら大学入試程度の英語力で十分だ 問題は専門書としての格調の高さと理解のしやすさのバランスである これが成功していると思われる物理関係の訳書はランダウのシリーズくらいしか思いつかない(別にあのシリーズを簡単に理解できるとは思っていない しかしあの内容でキッテルやシュッツの翻訳レベルだったら誰も理解できないだろう) もちろんこれは翻訳のせいのみではなく 原文の文体も大いに関係していることではあろうが 多くの物理の専門家は 非常に平易な言葉を使うため そのまま日本語に訳すと安っぽくなってしまう例も多いからだ

著名なSF作家として あるいは科学解説家としてより有名なアイザック アシモフは あるSF短編の中で科学ライターがとても重要な職業である未来を描いている   
専門家が文章の名手である必然性はなく 往々にしてその逆であることが多い
やや一般向けの雑誌に載せるときにはとても読めたものではないので 科学ライターに委嘱する  そうしなかった場合 その業績は一般に知られることなく不利になるのでもはや科学ライターなしの科学界はありえないことになる
日本とアメリカでは科学に対する社会的な扱いも異なるだろうし 作品の舞台そのものはアシモフ特有の(クラークやカールセーガンとかあのへんもだが)たいへん素朴な理想主義が産み出した幻想の未来世界で  おいおいこんなこと考えているから理系はいつまでたっても文系に勝てないのだよ とか僻んでみたくもなる
とはいえそういった社会の方向性は 理系の重要性を知らしめる上で望ましいはずだ
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/science/science_and_technology_promotion/
Yahooニュースの科学振興カテゴリで文科省が北大東大早大に科学コミュニケーション養成の大学院を創設することに決めたという読売新聞の報道を紹介している

学生や社会人、理系博士号取得者を訓練し、科学館の学芸員、理科教師、科学ライター・ジャーナリスト、研究開発部門の広報担当者などを育てる。

 科学技術予算が増え、科学技術が社会に与える影響が大きくなる中、文科省は、科学界と一般社会の橋渡し役の育成を重要政策と位置づけた。

予算は各一億円
さて 誰が教えるのか 
まさか 文学部卒の翻訳家ではないよね